【NUpowr G3 240/160MHz for 2400c Report --- 発熱篇(1)】
今回は、多くの人が最も気にかけている発熱についてのその1です。
発熱については、条件を一定に保つことが難しく、また外部環境に強く影響を受けるため、あんまりまっとうなデータ取りをしておりません。 あくまで、私の作業環境に於ける一例に過ぎませんので、その辺をご理解願います。
感覚的な部分が多いので、あえてコメントをつけて状況の補足をしました。 おかげで長文になってしまいました...すみません。 内容は薄いんですが。
■熱源
PowerBook2400cに於ける代表的な発熱源には、以下のものがあります。
これらのうち、(1)(4)についてはPowerBook2400c/180(以下Comet)から、(2)(3)についてはPowerBook2400c/240(以下MightyCat)から、それぞれ何らかの放熱対策が施されています((1)(4)についてはMightyCatでさらに強化された)。
■純正の熱対策
基本的に、放熱を担う部分は以下のパーツのみしかありません。
これらに対し、先の熱源を以下の方法で接触させて放熱しています。
■被験PowerBook
今回のReport対象であるPowerBook2400cは、最初期型のCometで、実験開始時の熱対策は周辺LSI(全4個)へのシリコーンゴム(Amulet謹製)貼り付けのみでした。
なお、ハードディスクはIBM製DTCA-23240(3.2GB 12.7mm厚)に交換、メモリはADTEC製の64MBを追加実装し合計80MBとなっています。
ちなみに未だにMac OS 7.6.1です。
■温度測定方法
PowerBook2400cにNUpowr G3を装着した場合、温度測定には以下の方法があります。
(1) G3StripやPowerLogix SpeedMeterによるCPU内部温度測定
PowerPC750内部のTAU(Thermal Assist Unit)によってTj(Junction Temperature:素子のPN接合部の温度、平たく言えばチップの内部温度)を測定します。・G3Strip入手先:
http://www.246.ne.jp/~kykz/・PowerLogix SpeedMeter入手先:
http://www.powerlogix.com/
(2) Jeremy's Temperature CSMによるロジックボード温度測定
ロジックボード上のセンサ(どこにあるか調べたことないっす)によるボードの温度を測定します。
・Jeremy's Temperature CSM入手先:http://www.kezer.net/index.html
■測定時の周囲環境
測定はワタクシの自宅で行いました。
(コタツテーブルは表面がプラスチック、内部が木製で、放熱性は劣るようです)
■前置きはいいから早く結果を....
はいそうでした。では、実験過程と温度推移の生データを並べてみましょう。
(きれいなグラフ化されていた方がおられましたが...ワタクシのはPlain Textです。)
(1) まず単純に組みつけ(240MHz/160MHz)
特に追加対策をせず、ヒートシンクを気持ち持ち上げておいてから組みつけた後の温度推移です。
(温度はボード温度/CPU温度、摂氏)
[コメント]
- ...熱いです。
(2) 2次キャッシュバス速度を落とす(240MHz/80MHz)
バックサイドキャッシュバスのレシオを落としてみました。
[コメント]
- 前の実験の熱がたまっているのか、全然温度が落ちません。
(3) 2次キャッシュをオフにする(240MHz/0MHz)
バックサイドキャッシュをDisableにしてみました。
[コメント]
- さすがにぐぐっと温度が落ちますが、放置しておいてもなかなか温度が下がりません。 ヒートシンクに熱が充分伝わっていないのかも知れません。
(4) 2次キャッシュバス速度を戻す(240MHz/120MHz〜160MHz)
バックサイドキャッシュを再度Activeにし、放置しておいて温度推移を見ました。
[コメント]
- キャッシュバス速度は、がんがん使わないと全然差が出ないし、使ってでる差も大したものでは無いようです。
(5) キャッシュスロットリングをかける(240MHz/160MHz)
コントロールバーモジュールのG3 Throttle(http://www.246.ne.jp/~kykz/より入手)を用いて、PowerPC750独自の低消費電力機能であるキャッシュスロットリング(詳細はいつか...)をかけてみました。
[コメント]
(6) 再度フル駆動(240MHz/160MHz)
蓄熱条件も変わったことだし、もう一度通常状態を見てみました。
[コメント]
(7) ヒートシンクとCPU間にグリース塗布(240MHz/160MHz)
放熱用のシリコーングリースをヒートシンクとCPU間に充填してみました。
[コメント]
(8) クロックアップ設定(280MHz/140MHz)
DIPスイッチの設定により、クロックを一気に40MHzほどあげてみました。
[コメント]
- いや速い速い。しかし温度はそれほど上がっていません。グリースのおかげでしょうか。 ところが、最後のムービーのループを続けていたら、さすがに熱がたまってきたのか、原因不明のfreezeが発生しはじめました。温度はそれほど上がっているようには見えないのですが、周波数が上がっているのでそれだけCPUの動作マージンも下がっているようです。
(9) クロックダウン設定(180MHz/120MHz)
Cometと同じ周波数での違いを見るべく、180MHzにクロックダウンしてみました。 これでも、やはりCometよりずっと速く動作します。
[コメント]
- やっぱり全然温度が低いですね。 と言うことは、その分消費電力も抑えられているということで、特別にバッテリ駆動時間を測定してみました。
...以降の実験に支障をきたすので中止しました(実は寝ちゃってわかんなくなった)。
(10) クロックアップ上限(300MHz/150MHz)
冷えてきたようなのでクロックをアコガレの300MHzに設定してみました。 ...が、起動時にバスエラーが発生してまともに動作してくれません。 機能拡張オフでFinderまでこぎ着け(キャッシュはオフ)、なんとかベンチマークをはじめましたが、途中でfreezeし、以降の実験を断念しました。 機能拡張オフなので温度データ無し。
(11) クロックアップ定番設定(260MHz/173MHz)
おそらく最も安全そうな設定である260MHzにクロックを設定しました。
[コメント]
- 安定して使えます。
(12) クロックアップ定番設定その2(260MHz/130MHz)
体感速度に差がないので、少しでも低消費電力にとキャッシュバス速度を少し下げてみました。
[コメント]
- 前項より熱いようですが、これは蓄熱の影響でしょう。 おおむね、最も熱いときでも上の結果内に落ち着いているようです。
■簡単なまとめ
この実験結果を感覚的にまとめると、大体以下の様なことが言えるかと思います。
(1) 動作速度と発熱
当然、クロックアップをした方が発熱は大きくなります。 ワタクシの環境では、260MHz迄なら特別な対策が無くてもなんとか安定して使えそうですが、周囲環境の変化のことを考えると、グリース追加などは行った方が良さそうです。ちなみに、ワタクシのデスクトップマシンである8500/G3/266では、どんなに連続して使用しても、CPU温度は28度を越えることがありません。 ノートブックでは、いかに熱的に過酷な環境であるかがわかると思います。(これでは、クロックアップもそうそうできません。)
(2) 2次キャッシュと発熱
キャッシュバスの速度を落とすことは、さほど温度には影響を与えませんでしたが、キャッシュをオフにすると、特にボード温度がぐっと下がります。 速度の割には発熱の少ないキャッシュチップとはいえ、やはりそれなりに発熱しているようです。しかし、キャッシュオンでのボード温度でも、特に破綻するようなことはないので、消費電力を削減したいバッテリ使用時以外は、キャッシュをオフにする必要性は感じません。
(3) スロットリングと発熱
特にCPU温度をすぐに下げるのに大変効果的です。 クロックアップ/ダウンは、通常分解しないと設定を変えることが出来ないため、それに代わる対策として最も有力と思われます。このキャッシュスロットリングとは、PowerPC750にのみ採用されている機能で、発熱/消費電力対策のための機能です。 PowerPC750は、DPM(Dynamic Power Management)が許可されている場合、命令供給待ち状態の間は命令実行部へのクロック供給を停止します。 これを利用して、内蔵32K命令キャッシュへのアクセス時の待ち時間を増やすことにより、最も発熱するCPUの動作率を下げ、発熱/消費電力を低減するのです。
(4) 発熱対策
ソフトウェア的には、上記(2)(3)が効果的ですが、これだけでは心許無いと思われるかと思います。 ハードウェア的にも何らかの発熱対策が必要でしょう。
今回ワタクシの行った対策は、
です。
これらハードウェア面での発熱対策は、その原理を含め別途Reportしたいと思います。
今回はここまで。
次回は発熱対策の詳細行きます。 少々お待ちください。