思ひで

 

第九話 国家権力

 

 ビデオでようやくスピードを見ました。その日からM谷はキアヌになりました。誰がなんと言おうとキアヌ。言われてみれば顔もそっくり。違うのは髪型だけ・・・。早速M谷は行きつけの美容室に行きました。BGMはもちろんスピードのテーマ!(サントラ買ったのにこの曲は入ってない!)

−ちゃんちゃんちゃちゃちゃん、ちゃんちゃちゃちゃちゃちゃん−

「キアヌ・リーブスにして!」

「髪質違うし、止めといた方がええで、ほんまに」

「ええからやって。キアヌキアヌ!」

 反対を押し切り、キアヌカットにしてもらったM谷。M谷は目が悪く、休日はメガネで過ごすことが多いんですが、カット中はメガネ外してます。カットが終わり、メガネをかけてみると鏡の中には角刈りのお兄さんが・・・。

 カットしてくれたお兄ちゃんとかわす言葉も無く帰宅。妹には山本穣二とバカにされ、出社すれば「板さん」「梅さん@ど根性ガエル」とはやし立てられる始末。確かに自分で見ても大門@西部警察。なぜキアヌ大門に!髪質なのか、頭のつくりが違うのか・・・。

 運悪く、刈った直後に品川に出張がありました。まあセミナーというか、そういった感じのものだったんで、ラフな格好での出張。夏だったこともあり、ペロペロのTシャツにジーンズ姿でした。おまけにひげ剃り忘れたんで、無精ヒゲも伸びてます。

 初めて行った品川で、M谷は珍しい建物を発見!衆議院議員宿舎。ウオオ、国会議員の宿舎だよ!M谷はこっそり中に入ってみることにしました。すると怖い警官が出てきてあっという間に詰め所に連行。当時はオ*ムが最高潮。思い切り間違われてしまいましたよ。

「名前と住所を言え!」

「何で言わないといけないんですか!」

 国家権力の横暴に敢然と立ち向かうM谷。男の中の男!その瞬間、私には大門刑事が憑依していたのでしょう。

 するとレッドブルのような警官が登場。スチール机を力任せに殴りつけます。その瞬間大門刑事は私の体を離れました・・・。

「M谷N智、2*歳、京都から出張で来ました。物珍しくてつい」

 聞かれもしないことまでペラペラ答えるM谷。

「最初からおとなしく答えてりゃいいんだよ!」

「本当にすみませんでした、悪気はなかったんです、ごめんなさい。」

 大門の次はコメツキバッタが憑依・・・。

 

結論。国家権力に牙を剥くにはM谷、君は弱すぎた。


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