外装のウェルドライン
症状・・・・・・・・・・
時折,トップケースや液晶周りのハウジングに亀裂の入ったようなラインがあることがあります.これがウェルドラインです.程度の差は個体間でかなり異なりますが,ひどいものでは一見して「割れてる??」と思う程のものもあります.
トップケースに認められたウェルドライン原因と対処法・・・・・・・・・・
このウェルドラインをアップルでは「モールド」と呼んでいます.モールドラインとウェルドラインは厳密には異なるものなのですが,一般には浸透していない言葉で,アップルも誤解しているようです.この件に詳しい窪田様からいただいたメールを引用して説明に代えさせていただきますね.
モールド(mold)とは通常金型そのもののことになります.ウェルドラインとは,樹脂部品を成形する際に溶けた材料同士がぶつかる点で発生する,一種の成形不良のことです.材料がぶつかった点で,材料同士が完全に溶融する前に固化してしまうために発生するのです.材料がぶつかった点で発生するため,線のように,さらにはひびのように見えてしまうのです.ディスプレイの枠や電話機のパネルなど,穴のあいている部品の周囲にはたいていその痕跡があるはずですが,成形する際の条件(温度や成形時間など)によって消し込むこと,あるいは目立たなくすることは可能です.裏側だけに持ってくることも可能です.
成形条件である程度の改善は可能なのですが,常にそうであるとは限らず,その不良を無くすことで他の不良が発生したりもする物です.部品によってはある程度の状態で妥協点を見いだす必要もでてきてしまいます.同じ条件で成形している限り発生してしまう問題なので,仮に部品を交換したとしても,やはり同じところにはウェルドラインがあるのではと想像します.成形メーカーがその点を改善するか,また,金型等の改造により成形条件をコントロールしやすくすれば,もしかしたらウェルドラインのない部品も作ることができるのかもしれません.しかしながら金型で調整ができるとは言っても,通常は設計段階で綿密な計算(予測)をして,事前に対処可能な構造にしておく物ですので,金型ができあがってしまった今からではそんなに大層なことはできないですね.
今回のiBookで使用している材料は透明な材料であるため,その成形条件をコントロールすることが非常に難しいのです.ましてや,もし材料にPCやPC+ABS等を使用しているとなおさらです.一回不良のない部品を作れる条件をだしたとしても,大量に成形している内にだんだんとまた不良が発生してきてしまったりもします.気がついたら不良品ばかりを何千個と作ってしまい,にっちもさっちもいかなくなるなんて事もあります.iMac,iBookの外装部品の成形メーカーの苦労が忍ばれます.察するに,導入当初のごたごたで,多少の部品不良もやむなしと言うことでその部品を使用してしまったのではないでしょうか.改善したくても製造ラインではその部品を待っていて,そんな時間は無いと言う状態だったのでは.もし今回の不良の原因が時間的な物だけであれば,今後のロットでは改善された部品を使用した物になる可能性もありますね.むしろ改善していって頂きたい物です.つまり,樹脂が型の中で混ざりあわないうちに固化してしまったときに起こる現象だということですね.となると,パーティングラインのように盛り上がっているわけではないので削るとか,そういった方法では消しされないようですね.
このウェルドラインは,ひどいものでは著しく美感を損ねてしまうほどですから,なんとか改善していただきたいと思います.>アップルさん.この件に関して修理なり交換なりといった対応が可能なのかどうか,アップルと交渉した際の記録を紹介します.電話でのやり取りですが,アップルからの公式な回答としての掲載も許可されましたので紹介します.担当者はアップルサービスセンターのヒラマツ様,コシモト様,カスタマーインフォメーションセンターのトケシ様です.
Q 今回の私のiBookに認められたキズらしきものはなんでしょうか?
A ボディ内部のモールドです.(ヒラマツ様)Q 修理あるいは交換といった対処はしていただけたのでしょうか?
A いいえ.手つかずの状態でお返しいたします.(ヒラマツ様)Q それは何故ですか?
A 修理担当部門の判断で,内部のモールドに関しては機能に支障をきたさないので保証外であるということです.(ヒラマツ様,コシモト様)Q それは修理担当者の判断なんですよね? iBookのようにトランスルーセントなボディとデザイン性を強調して販売している商品において,細かいモールドはともかく,著しく美感を損なうようなモールドも交換対象にはならないのですか? 誰が見てもトップケースが割れているように見えるんですよ?
A (機能に支障がないので)保証できません.(ヒラマツ様,コシモト様)Q ちなみに外装にキズがある時は交換していますよね(iBookメーリングリストなどに報告もありますし).なのに非常に目立つ傷があっても内側であれば保証外なんですね.
A 保証外です.(ヒラマツ様)Q その保証の範囲については購入者は購入前には知ることはできませんよね? ましてApple Storeの事前予約では店頭で個体を確認して購入することができない以上,ずいぶんと横暴なやり方だと感じるのですが・・・.店頭で何台も確認しましたが,このような大きくて厚いモールドは見られませんでした.私から見るとアップルサイドが「故障ではない正常なiBook」と言われる私のiBookとデモで見られるiBookとはずいぶん違うような気もしますし,とりあえず返品させていただきたいのですが.
A AppleStoreの購入規定にあるように返品はできません.(トケシ様)Q そこには「原則として」とありますが・・・.では例外が適用されるケースと言うのはどういうケースなんですか?
A AppleStoreでは返品はいっさいお受けしておりません.(トケシ様)Q では有償によるパーツ交換をしていただきたいのですが・・・.
A 内側のモールドはその大小に関わらず修理ならびに保証の対象としません.iBookはトランスルーセントなボディを使っています.これまでのPowerBookとは異なるんです.(コシモト様)
これじゃちっとも何がいいたいんだかわかんないよね・・・Q それは初期不良としてですよね? そこはお譲りしますから,有償によるパーツの交換をしてください.
A できません.機能に問題がない以上,有償による修理もお断りします.(コシモト様)Q その理屈では,外側に傷が付いてもダメってことですか?
A 割れたり機能に問題があるようでなければ,そうなります.(コシモト様)
それって矛盾してるんじゃ・・・ということだそうです.iBookに関してはサービスプロバイダなどによる修理はいっさい行われず,サービスセンターのピックアップ&デリバリーしか修理の方法がありません.ということは,ウェルドラインの多い(酷い)個体を購入した場合は運が悪かったと諦めるしかないようなんです.これからiBook注文する人はできるだけ店頭で実際に個体を見て購入することをお勧めします.